ダイヤモンドブレードの構造とは?
こんにちは!ももかん工具店 店長の飯田です。
今日はエンジンカッターや電動カッター(パートナー)の使用には欠かせない
「ダイヤモンドブレード(刃)の構造について」ご説明しようと思います。
ダイヤモンドブレードは「基盤」とい鉄製の板で出来た本体になるものと
「チップ」という実際に切断する刃の部分に分かれています。
「チップ」は、工業用ダイヤモンド(粒状)と亜鉛等その他配合物(粉末状)を均等に混ぜ、
金型に入れて成型し、高炉で焼入れを行うことで出来上がります。
出来上がったチップを基盤にくっつけ、
最後に「ドレッシング」というチップを砥石で磨く作業を行い、
チップの中に埋もれているダイヤモンドの粒を表面に出す作業を行い、
ダイヤモンドブレードが完成します。
この「チップ」をどのような技術で「基盤」に着けているのかということがブレードの切れ味や耐久性につながります。
現在主なメーカーが採用している方法は「レーザー溶着」です。
「レーザー溶着」とは、レーザーを照射してチップを基盤に溶着させる技術です。
以前は、「ロウ付け」という方法でチップが取り付けられている製品もありましたが、
「ロウ付け」より「レーザー溶着」の方がチップの欠けや飛びが少なく、「レーザー溶着」を採用しているメーカーが主流です。
また「ドレッシング」もメーカーや国産、海外で違いが出てきます。
ドレッシングの際に、砥石の粒度(目)が粗いものを使用した場合、チップに埋まっているダイヤの目が表面に出やすくなります。
見た目には、ダイヤがたくさん入っているように見えますし、より切れ味が良さそうに見えますが、
実際は、最初からダイヤの目が多く出ていると、コンクリート等を切断し始めた時にチップのダイヤが飛びやすくなります。
最初からゴツゴツとダイヤが出ていると抵抗が多く飛びやすいんですね。
それに比べ、砥石の粒度が細かいものを使用した場合は、最初あまりダイヤがチップの表面に出ておりませんが、
切断することでチップの中のダイヤが磨かれるので、ダイヤが飛びにくくなります。
国産メーカーは、砥石の粒度が細かいものを使用していることが多いです。
今度は「ダイヤモンドブレードのチップの形状」について注目してみましょう!
一般的なチップの形状はこのような形です。
粒が見えますが、これがダイヤモンドの粒です。これが切断することで磨かれ表面に出てきます。
しかし、最近このような形状のチップがあります。
チップに段差が出来ているのがわかります。
なぜこのような形状になっているのでしょうか。
ダイヤモンドブレードで切断する作業は、実際はカッターで紙を切るような「切断」ではなく、
細かくコンクリートを「砕く」作業になります。
コンクリートを切っているように見えて、実は砕いているんですね!
この際に、コンクリートを砕いた粉が出て、チップとコンクリートの間に溜まります。
この粉が溜まりすぎると摩擦熱で、チップの中のダイヤモンドが焼けてしまうんです!
焼けると切れ味が愕然と落ちます。
この「摩擦熱で焼ける」という現象を抑えるために、上記写真のようにチップに段差がある形状をしています。
チップ部を切断面と内側に溶着することで、
内側のダイヤがチップとコンクリートの間の切り粉を排せつし、摩擦熱を防ぎます。
お分かりいただけましたか?
私も勉強しているうちに、全ての形状は理由があって作られているんだなとびっくりしました。
商品の色々な特徴を把握すると道具にも愛着が沸きますよね!
ちょっとした知識として心に留めていただけるとうれしいです。
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- 2019.05.11 Saturday
- ダイヤモンドブレード
- 09:06
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- by ももかん工具店